不妊女性の負担を軽減するために
現在、不妊治療を受けている女性の7割以上が働いており、治療と仕事の両立がとても重要な課題になっています(福井県不妊治療提供体制調査)。
不妊治療では、月経のサイクルに合わせて、くすり(内服薬・注射)を投与し、検査(超音波・ホルモン)を繰り返しながら、人工授精や体外受精・顕微授精を行います。
私たちの生殖センターは、福井県における生殖医療の拠点として、くすりの投与や検査はかかりつけ医、人工授精や体外受精・顕微授精は生殖センターに役割分担することで、不妊治療の負担を軽減し、少しでも早く妊娠・出産へ導くための「医療連携システム」づくりを目指しています。
福井県の共働き率(60%)は全国1位ですが、多くの働く女性が「何度も通院しなければいけない」「待ち時間が長い」「仕事の調整が難しい」「周囲の理解が得られない」など、不妊治療と仕事の両立が難しいと悩んでおられます。
不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック厚生労働省
令和3年度 不妊治療を受けやすい休暇制度等環境整備事業
令和2年度 福井県不妊治療提供体制調査事業
厚生労働省の「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」によると、「治療と仕事を両立している」方は53%に過ぎず、「治療と仕事を両立できない」方が35%にのぼっています。
通院回数や待ち時間が予測できずに、仕事との調整も難しいため、「時短勤務に変えた」方が8%、「仕事を辞めた」方が16%、「不妊治療をあきらめた」方が11%おられます。
不妊治療費の総額はときに数百万円にのぼりますが、仕事を辞めたり時短勤務にすると、治療費の支払いに支障が生じることもあります。
私たちは、デジタル情報技術ICTを活用して、患者さん~かかりつけ医~生殖センターの3者をつなぐ、スピーディーかつ安全な医療情報ネットワークを構築したいと考え、クラウドファンディングによる資金調達に挑戦しています。
クラウドファンディングを目標達成できたら、現時点で参加を表明している県内10施設と連携して、かかりつけ医と生殖医療センターによる、地域連携型の生殖医療システムを構築してまいります。
「治療も仕事もあきらめない」仕組みをつくり、ご家庭へ一人でも多くの赤ちゃんをお届けできるよう、ベストを尽くします。
不妊治療を頑張っているご夫婦と、未来の子どもたちのために、皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。
高度生殖医療センターの役割
私たちの生殖センターは、
- ①最新かつ最適な生殖医療を提供する
- ②診療ネットワークを構築することで患者さんの負担を軽減する
- ③医師や胚培養士の人材育成システムを確立する
- ④妊娠や出産・プレコンセプションケアについて県民へ啓蒙活動を行う
といった、公的な役割も担ってまいります。
福井県における生殖医療の拠点として、地域に貢献したいと考えておりますので、皆さまのご支援をよろしくお願いします。
クラウドファンディングのお願い(詳細解説チラシ)
クラウドファンディングのサイト